2006年4月25日

Re: 悩ましい字体:難儀な事態

『犬のしっぽを撫でながら』での文字組みの事故について、集英社の担当編集者のHさんからお電話をいただきました。原因がわかったそうです――
本文の基本フォントは、NEW CIDフォントを使っているのですが、旧字体がない文字についてはOCFフォントを組み込んで組版しました。
ところが、NEW CIDとOCFではベースラインが異なっているので、OCFフォントの文字の字面が下がってしまいました。
問題の文字について「上下均等空き」という処理をすれば、字面のずれが防げるようなので、今後、OCFフォントを組み込む場合は、この処理もセットでおこなうよう、印刷所に指示することにしました。
校正の際は、文字が正しいかどうかに注目していて、字面のずれには気づきませんでした。
――とのことでした。

私がいる編集部でも、こんどから組版を自分たちですることになり、こうした事故の事例と解決方法をできるだけたくさん集めておきたかったので、集英社に問い合わせました。まったくの部外者にもていねいな説明をしてくださったHさんに感謝です。

2006年4月20日

悩ましい字体:難儀な事態

小川洋子さんのエッセイ集『犬のしっぽを撫でながら』*がでました。

*2006年4月10日第1刷, 集英社


内容については別の機会に書きますね。



それより、変なことが気になりました。右の写真は66ページの1行目と2行目の一部分です。「篇」の字面が下がり過ぎてませんか?

たぶん、本文のフォントには「篇」の“戸”の1画目が左下がりになっている異体字がなかったんでしょうね。それで、別のフォントから切り貼り(?)したんでしょうか。

57ページでは、同じ異体字を使っているのに、字面は下がっていません。
そんなところもありますが、おおむね、JISにない旧字体が使われているところで、字面の位置がおかしくなっています。


下の4つはこのエッセイ集からではなくて、私が小塚明朝で印字したサンプルです。
OpenTypeフォントには小塚明朝のように、s/
同じ区点位置**に複数の異体字を収録したもの
/異体字の置き換え情報をもったもの/があります。どの字体を使うか、悩ましいところです。コンピュータで出版物を作るようになって、字形についていままで以上に知識が必要になって、もう、たいへんです。

**「篇」と「編」は別の区点位置にあります。念のため:-)
☆ フォントの中で異体字はそれぞれ別の区点を与えられています。(4月27日訂正)

しかし、このエッセイ集では、「短編」が普通の字種・字体(上の図の左から2番目)で印刷されているところもあります(83ページ)。ですから、小川さんご自身がとても字体にこだわって、異体字を使うように指示しているようには思えないんです。収録されているエッセイはさまざまな時期、さまざまな雑誌・新聞に発表されたものですから、それぞれの編集方針にもよるのでしょう。

ひょっとすると、小川さんが古いワープロで執筆されている***ことの影響かも知れません。

***「されていた」? いまはもうコンピュータに移行されているかな?

2006年4月10日

いっきに春が来た


雨が続いて、なかなか暖かくならないと思っていたら、レンギョウもハクモクレンもサクラもいっきに咲きました。
わたしも調子よく咲いてます。
でも、もうそろそろ私の季節は終わりです。来週には色もあせて、しなしなっと倒れているでしょう。しっかり種はつくってますから、もういいんです。

2006年2月26日

雨が降ると

今日は西日本のかなり広い範囲で雨が降っているようです。
芦屋ではすっかり本降りです。

雨が降ると「もう春だなぁ」と思ってしまうのです。
関西では冬だって雨は降るんですが、いまだにそう思うのは、少し長めの学生時代を仙台で過ごしたからでしょうか。
雪ではなく雨が、細い雨が降ってくると春なのです。

それにしても、今日、芦屋は土砂降りです。

2006年1月17日

受診抑制と重篤化

のどが痛くてどうしようもないので、職場近くの耳鼻咽喉科に駆け込んだら、みごとにインフルエンザA型にかかっていることが判明しました。

どうりで体全体もだるいわけです。

実は、症状が出たのは先週木曜の夜。翌日は頭がずきずきするので一日寝ていました。土曜日にはちょっと体が浮くような感じがしたものの、仕事が気になって出勤。月曜日は例のごとく徹夜で編集作業をして、きょう(火曜日)はその徹夜のまま1時間歩いて、阪神・淡路大震災早朝追悼集会の取材に出かけたのでした。会場の諏訪山公園(神戸市中央区)まで登る最後の坂では、息も絶え絶え。歳のせいかと思ったのですが、この時すでに37℃を越える熱があったようです。

医院では特効薬タミフルを処方してもらったのですが、もう手遅れですよね。やれやれ、跋扈する新自由主義のもと、受診抑制・重篤化を自ら実践してしまいました。

2006年1月1日

道可道非常道

ことしは46歳になります。カーソルが尺*1 の右側にきて久しいですし、右端もそろそろ見えてきましたか…。目盛り間隔はずいぶん狭くなってきました。10代後半のころの1年間がいまの3年間から4年間のように感じます。


道可道、非常道、名可名、非常名*2
「『道』が語りうるものであれば、それは不変の『道』ではない。『名』が名づけうるものであれば、それは不変の『名』ではない」*3

30年前に出会ってからいままで、このことばに支えられて生きてきました。
熱狂せず、盲信せず。おかげで変な道に進まずにすみました。しかし、確信せず。この立場を保ち続けるのは、すこしつらいこともありました。
それでもやはり、私はこのことばに従っていこうと思います。

*1  これは計算尺です:-) 下から4番めがD尺、ここの46にカーソルを合わせています。そこから1つおいて上のCI尺に17を置いてみました。目盛り間隔が時間感覚と微妙に暗合してるでしょ?
*2 『老子』
*3  小川環樹訳

2005年12月20日

元日本軍「慰安婦」イ・オクソンさんの講演

ハルモニ講演会

神戸女学院大学石川ゼミのみなさんが韓国・ナヌムの家나눔의 집)をことしも訪問してきましたが、こんどは、ナヌムの家から元日本軍「慰安婦」のイ・オクソンさん(이옥선 할머니)を招いて講演会がおこなわれます。
  • 日時:12月20日(火)午後2時-5時
  • 会場:神戸女学院大学ジュリア・ダッドレー記念館1階会議室
日本国内で、元「慰安婦」のハルモニの思いを直接聴けるまたとない機会ですね。

参加希望者は、神戸女学院大学女性学インスティチュートまで
電話: 0798-51-8545

この記事はもともと10月の末に書いたものです。
ここのブログはあとから記事の日付を変更できるのを利用して、再掲(というより掲載位置を変更)してみました。ですので、以下の「ベアテの贈りもの」上映会の記載は古くなってますが、ご容赦ください。

「ベアテの贈りもの」上映会

なお、神戸女学院では学院創立130記念行事として映画「ベアテの贈りもの」の上映会もおこなわれます。労働省婦人少年局局長時代、男女雇用機会均等法を成立させた、元文部大臣・赤松良子さんの講演も。
  • 日時: 11月10日(木)午後5時30分から(開場は5時10分)
  • 会場: 神戸女学院講堂
ベアテ・シロタ・ゴードン(Beate Sirota Gordon) さんは、22歳の時、GHQ民政局のスタッフとして日本国憲法の人権条項作成に携わった人。第14条「法の下の平等」、第24条 「両性の平等の原則」などに、ベアテさんの草案が生かされています。赤松さんはこの映画の製作委員会代表でもあります(神戸女学院の出身だと思うのです が?)。

この映画は、藤原智子監督によると
ベアテさんが書いた男女平等の条文を起点にして、戦後、日本の女性たちが今日までどのような、地道な歩みと活発な運動を展開してきたかを検証する、いわば映像による戦後女性史のひとつです。(←映画『ベアテの贈りもの』製作委員会サイトから)
一般の参加申し込みは10月31日まで。急がなくっちゃ!
詳しくは、この案内チラシを。

2005年12月11日

サンタクロースへの手紙

娘がせっせと縫い物をしていると思ったら、こんなのをつくってました。黄色いのは自分の、青いのは弟のです。

「ちょっと小さいね」
「プレゼントを入れてもらうんとちゃうねん。お手紙を入れとくねん」



数日後――
「サンタさん、手紙とりに来てないなぁ…」

はい、はい。ちゃんとサンタさんに渡しときましたよ。

咲いてみたものの

花びらをひらいてみました。しかし、急に寒くなりましたね。これではヒラタアブくんも来てくれそうにありません。
ちょっと待ちくたびれてしまいました。

この写真はこれまでとは別の個体です。前のは道路工事のとばっちりで行方知れずになってしまったのです。都会暮らしはきびしいです。

2005年12月10日

VENI, VIDI, VENUS!

きのう、金星が最大光度、-4.7 等となるというので、南中時(14時45分ごろ)、仰角30°に目を凝らしてみたのですが、巻雲(cirrus)ばかりが美しく、見つけれられませんでした。

きょう、仕事で神戸市北区の鈴蘭台へやって来ました(veni)
観ました(vidi)
おぉい、金星(Venus*。昼間**の君もすてきだよ!

*Venusは第II変化名詞じゃなくて、genusと同じく第III変化名詞ですよね?
** 16時前ですが、この季節ではもう夕方かな?