2011年12月19日

52週はたらく人のカレンダー

自分用のカレンダーをつくりました。

週刊の新聞をつくっているので、普通のカレンダーみたいに月ごとに区切られていると、第一日曜日付の原稿締め切りなどを間違えやすいのです。

それで、一年間切れ目ないものをつくった次第です(用紙の都合で半年二段組みになってますが)。実際、切れ目無く、くるくる仕事してますから…


ちょっと潤いに二十四節気と月の満ち欠け、蝕を書き込んであります。節気には太陽黄経を書き添えました。ぐるんと軌道を回っているのを実感したいのです。蝕も見逃さないよう開始時刻を添えてあります。


私の新聞の号数を記入していない版を次のURLで公開しますので、よろしかったらお使いください。
InDesign CS4版とPDF版を置いておきます。

https://sites.google.com/site/amplexicaule/file_cabinet


2011年11月18日

行連結sedスクリプトを訂正しました

昨年6月に書いた「行連結sedスクリプト」を訂正しました。「ちぇ、動かへんやん」とがっかりされた皆さん、すみません。

スクリプトA: 段落冒頭の字下げを全角空白でしてある原稿用
:loop
$!N
s/\(.\+\)\n\([^ ]\+\)/\1\2/
t loop
P
D

5−6行目が必要でした。スクリプトBも同様です。(実は、ずーっと以前にこのスクリプトを書いた時には、この形だったのですが、しばらくsedを使わないうちに、すっかり頭がなまっていて、昨年6月にはPとDがどう動くかを忘れていたのです。

 は全角空白です。

次の段落の1行目を読み込んだ時、3行目の置換は失敗し、loopを抜けます。
この時、パターンスペースの中身は、
 現在の段落\n 次の段落の1行目
という形になってます。

5行目のコマンドPはパターンスペースの「\n」までの部分を出力します。
つまり、2−3行目でつなげられた部分のうち、
 現在の段落\n
が出力される訳です。

次いで6行目のコマンドDでパターンスペースの「\n」までの部分を削除します。
この時、パターンスペースには、
  次の段落の1行目
が残ります。

コマンドDは処理をスクリプトの先頭に戻します。


sedスクリプトを書く時は、パターンスペースに何が入っているか、よっく考えなければなりませんね。あ〜、難しかった (*_*;

2011年10月23日

似非羅甸語:EX BLOGO

「ブログから」って、どう訳せばいいのか?

とりあえず、前置詞EXを使って、BLOGの語尾を奪格風にしてみた。もちろん似非羅甸語に違いない。


20:15 追記:logos -i  に倣って語尾を修正しました。

Lionのテキスト読み上げ:そこの君、ちょっと読んでくれない?

Lionのテキスト読み上げは多国語対応になったんだけど、読み上げさせる言語を自動的に切り替えてはくれません。

環境設定の「スピーチ」でそれぞれの言語をしゃべってくれる「声」を切り替えないといけないんだけど、いちいち環境設定を起動するのはけっこう面倒。

そこで、Automatorでこんなサービスをつくって、「声を指定して読み上げる」とでも名前を付けて保存しておくといいかも。


「実行時にこのアクションを表示」にチェックをいれておくのがミソ。


これで、テキストを扱えるアプリケーションで読み上げさせたい部分を選択して、アプリメニューからこのサービスを呼び出せばよし。


でも、Lionの「声」は言語によって出来不出来の差がけっこうありますね。日本語担当のkyokoさんは、なんだか懐かしい感じがしますよ^^



2011年10月20日

不可視旗:母さん、僕のあのファイルどうしたでせうね

他のOSでつくったZipなどアーカイブファイルをMacで展開すると、展開は成功しているらしいのに、Finderではファイルが見つけられないことが、ままあります(「一太郎Ark」のパッケージでそんなことがありました)。

Terminalでls を実行すると目当てのファイルが見つかる場合、そのファイルにhiddenフラグがついているのです(もとのOSでは別の役割を果たしていたんでしょうけど)。

そのhiddenフラグを取るには、
chflags nohidden ファイル名
とすればOKです。直ちにFinderにそのファイルが現れますよ。





2011年9月27日

ウェブでもvi

わたしのような偏屈もののために、こんなのを開発してくれている人がいます。


では、さっそく試してみましょう^^



まだまだ、一部しか実装されていないようですけど、
ありがたいことです。

2011年9月21日

モールス符号

つまらないsedスクリプトをふたつ…

k2m.sed
#!/usr/local/bin/sed -f
y/いろはにほへとちりぬるをわかよたれそつねならむうゐのおくやまけふこえてあさきゆめみしゑひもせすん/イロハニホヘトチリヌルヲワカヨタレソツネナラムウヰノオクヤマケフコエテアサキユメミシヱヒモセスン/
y/ぁぃぅぇぉっゃゅょ/アイウエオツヤユヨ/
y/ァィゥェォッャュョ/アイウエオツヤユヨ/
y/がぎぐげござじずぜぞだぢづでどばびぶべぼぱぴぷぺぽ/ガギグゲゴザジズゼゾダヂヅデドバビブベボパピプペポ/
s/ガ/カ゛/g
s/ギ/キ゛/g
s/グ/ク゛/g
s/ゲ/ケ゛/g
s/ゴ/コ゛/g
s/ザ/サ゛/g
s/ジ/シ゛/g
s/ズ/ス゛/g
s/ゼ/セ゛/g
s/ゾ/ソ゛/g
s/ダ/タ゛/g
s/ヂ/チ゛/g
s/ヅ/ツ゛/g
s/デ/テ゛/g
s/ド/ト゛/g
s/バ/ハ゛/g
s/ビ/ヒ゛/g
s/ブ/フ゛/g
s/ベ/ヘ゛/g
s/ボ/ホ゛/g
s/パ/ハ゜/g
s/ピ/ヒ゜/g
s/プ/フ゜/g
s/ペ/ヘ゜/g
s/ポ/ホ゜/g
s/イ/・- /g
s/ロ/・-・- /g
s/ハ/-・・・ /g
s/ニ/-・-・ /g
s/ホ/-・・ /g
s/ヘ/・ /g
s/ト/・・-・・ /g
s/チ/・・-・ /g
s/リ/--・ /g
s/ヌ/・・・・ /g
s/ル/-・--・ /g
s/ヲ/・--- /g
s/ワ/-・- /g
s/カ/・-・・ /g
s/ヨ/-- /g
s/タ/-・ /g
s/レ/--- /g
s/ソ/---・ /g
s/ツ/・--・ /g
s/ネ/--・- /g
s/ナ/・-・ /g
s/ラ/・・・ /g
s/ム/- /g
s/ウ/・・- /g
s/ヰ/・-・・- /g
s/ノ/・・-- /g
s/オ/・-・・・ /g
s/ク/・・・- /g
s/ヤ/・-- /g
s/マ/-・・- /g
s/ケ/-・-- /g
s/フ/--・・ /g
s/コ/---- /g
s/エ/-・--- /g
s/テ/・-・-- /g
s/ア/--・-- /g
s/サ/-・-・- /g
s/キ/-・-・・ /g
s/ユ/-・・-- /g
s/メ/-・・・- /g
s/ミ/・・-・- /g
s/シ/--・-・ /g
s/ヱ/・--・・ /g
s/ヒ/--・・- /g
s/モ/-・・-・ /g
s/セ/・---・ /g
s/ス/---・- /g
s/ン/・-・-・ /g
s/゛/・・ /g
s/濁点/・・ /g
s/゜/・・--・ /g
s/半濁点/・・--・ /g
s/ー/・--・- /g
s/、/・-・-・- /g
s/」/・-・-・・ /g
s/(/-・--・- /g
s/)/・-・・-・ /g
s/本文/-・・--- /g
s/訂正/・・・-・ /g
s/終了/・・・-・ /g


m2k.sed
#!/usr/local/bin/sed -f
s/ / /g
s/-・--・- /(/g
s/・-・-・- /、/g
s/・-・-・・ /」/g
s/・-・・-・ /)/g
s/---・- /ス/g
s/--・-- /ア/g
s/--・-・ /シ/g
s/--・・- /ヒ/g
s/-・--- /エ/g
s/-・--・ /ル/g
s/-・-・- /サ/g
s/-・-・・ /キ/g
s/-・・-- /ユ/g
s/-・・-・ /モ/g
s/-・・・- /メ/g
s/・---・ /セ/g
s/・--・- /ー/g
s/・--・・ /ヱ/g
s/・-・-- /テ/g
s/・-・-・ /ン/g
s/・-・・- /ヰ/g
s/・-・・・ /オ/g
s/・・--・ /゜/g
s/・・-・- /ミ/g
s/・・-・・ /ト/g
s/---- /コ/g
s/---・ /ソ/g
s/--・- /ネ/g
s/--・・ /フ/g
s/-・-- /ケ/g
s/-・-・ /ニ/g
s/-・・- /マ/g
s/-・・・ /ハ/g
s/・--- /ヲ/g
s/・--・ /ツ/g
s/・-・- /ロ/g
s/・-・・ /カ/g
s/・・-- /ノ/g
s/・・-・ /チ/g
s/・・・- /ク/g
s/・・・・ /ヌ/g
s/--- /レ/g
s/--・ /リ/g
s/-・- /ワ/g
s/-・・ /ホ/g
s/・-- /ヤ/g
s/・-・ /ナ/g
s/・・- /ウ/g
s/・・・ /ラ/g
s/-- /ヨ/g
s/-・ /タ/g
s/・- /イ/g
s/・・ /゛/g
s/- /ム/g
s/・ /ヘ/g
s/カ゛/ガ/g
s/キ゛/ギ/g
s/ク゛/グ/g
s/ケ゛/ゲ/g
s/コ゛/ゴ/g
s/サ゛/ザ/g
s/シ゛/ジ/g
s/ス゛/ズ/g
s/セ゛/ゼ/g
s/ソ゛/ゾ/g
s/タ゛/ダ/g
s/チ゛/ヂ/g
s/ツ゛/ヅ/g
s/テ゛/デ/g
s/ト゛/ド/g
s/ハ゛/バ/g
s/ヒ゛/ビ/g
s/フ゛/ブ/g
s/ヘ゛/ベ/g
s/ホ゛/ボ/g
s/ハ゜/パ/g
s/ヒ゜/ピ/g
s/フ゜/プ/g
s/ヘ゜/ペ/g
s/ホ゜/ポ/g
y/イロハニホヘトチリヌルヲワカヨタレソツネナラムウヰノオクヤマケフコエテアサキユメミシヱヒモセスン/いろはにほへとちりぬるをわかよたれそつねならむうゐのおくやまけふこえてあさきゆめみしゑひもせすん/
y/ガギグゲゴザジズゼゾダヂヅデドバビブベボパピプペポ/がぎぐげござじずぜぞだぢづでどばびぶべぼぱぴぷぺぽ/

GNU Sedで動きます。

2011年6月23日

OpenTypeフォントって組版情報てんこ盛り

大阪DTPの勉強部屋主催の「InDesign組版教室」を受講しはじめました。
大石十三夫さんのよい組版への蘊蓄とこだわりがたっぷりの講義がとても面白いのです。(http://www.osakadtp.com/

その第1回(6/17)はAdobe Illustratorの文字組版の不自由さが検討されたのですが、その中に、サイズが異なる文字を1行に混植する場合などで、個々のフォントの欧文ベースラインが分からないと、文字の並び具合や行間をきれいに揃えられないという話がでてきました。

大石さんのblog『なんでやねんDTP』だとこのあたりの話:
http://d.hatena.ne.jp/works014/20110623

そこで、欧文ベースライン位置を調べる方法をちょいと調べてみました。

フォントの仕様書を読む

まずは、OpenTypeフォントの仕様を勉強。仕様書の在処はもちろん、開発元Microsoft社です;
『OpenType specification』
http://www.microsoft.com/typography/otspec/

うわっ、といいたいぐらい、OpenTypeフォントには組版のための情報が盛り込まれてますね。

他の情報はおいおい勉強することにして、まずは、ベースラインについての項目は?と探してみると、「BASE表」あたりのようです。
「BASE - Baseline Table」
http://www.microsoft.com/typography/otspec/BASE.htm
「Baseline tags」
http://www.microsoft.com/typography/otspec/baselinetags.htm

ideo
これが欧文ベースライン位置を示すもの。ベースラインから仮想ボディの地(下辺)までの距離で示してあります(単位は1/1000)。
icfb
平均字面の地の位置。
icft
平均字面の天の位置。

これらをフォントファイルから読み出せばいい訳です。実際、InDesignにしてもIllustratorにしてもこうした組版情報をフォントから読み出して文字を並べているのです。人間にできない訳はありません。

たしかに、フォントファイルをxxdやhexdumpで16進ダンプして、仕様書と首っ引きで、読んでいけば読めます。

AFDKOTのインストール

でも、もっと楽な方法はないのか? いろいろ試してみたところ、Adobe提供のフォント開発ツールに含まれているものが使い易そうです。Mac・Windows両版が用意されています。

「Adobe Font Development Kit for OpenType」
http://www.adobe.com/devnet/opentype/afdko.html

インストールは、配布物をunzipして出てきた「FDK」フォルダを適当な場所(恒常的に置いておける場所:私は自分のホームディレクトリ下のライブラリフォルダに置きました)に移動して、フォルダ中のシェルスクリプトFinishInstallOSXをTerminalにドロップして実行するだけ。FDKフォルダへのリンクが~/bin/内に作られ、シェルの設定ファイルに必要な環境変数設定が追加記入されます。詳しくは、Read_Me_First.htmlに書いてあります。

spotコマンドをつかってBASE表を読み出し

AFDKOはフォントをつくるためのキットなので、こちらにも沢山の機能・コマンドが入ってます。

組版のための情報はその中の「spot」コマンドで読み出せます。Terminal上での操作になります。

使用法は「-h」オプションで表示されます。


moria: tac$ spot -h
Usage: spot [-u|-h|-ht|-r] [-n|-nc|-G|-T|-F] [-f] [-V] [-m] [-d][-i] [-o] [-t|-P] [-p] [-@ ]  +
OR: spot  -X 

Options:
    -u  print usage information
    -h  print usage and help information
    -ht print table-specific usage information
    -r  dump Macintosh resource map
    -n  dump glyph id/name mapping (also see '-m' below)
    -nc dump glyph id/name mapping, one per line (also see '-m' below)
    -T  list table-directory in sfnt table
    -F  list features in GPOS,GSUB tables
    -G  proof glyph synopsis
    -f  proof GPOS features in font order instead of GID order
    -V  proof glyphs in Vertical writing mode (same as -p6 below)
    -m  map glyph names into Adobe 'friendly' names, not AGL/Unicode names
    -d  suppress header info from proof
    -br proof glyph synopsis one per page
    -i  sfnt resource id list (see help)
    -o  TTC directory offsets list (see help)
    -t  table dump list (see help)
    -P  , e.g 'P cswh,frac,kern'  (use '-Proof' for all)
    -p  set proofing policies: 
        1=No glyph name labels
        2=No glyph numeric labels
        4=Show KanjiStandardEMbox on glyph
        5=Show GlyphBBox on glyph
        6=Show Kanji in Vertical writing mode
        7=Don't show Kanji 'kern','vkrn' with 'palt','vpal' values applied
    -@  set proofing glyph point-size (does not apply to certain synopses)
    -X  execute a series of complete command-lines from  [default: OTFproof.scr ]


BASE表を表示するには、オプションを「-tBASE=5」とすると見やすい表になります。(実行結果は左の図の前半)

moria: tac$ spot -tBASE=5 KozMinPro-Regular.otf 





































BASE表を持たないフォント

ところが、OpenTypeフォントでもBASE表をもたないものがあります。例えばダイナフォントの平成明朝など。

そういうフォントの場合、ベースライン位置についてはHHEAD表に記載されています。それを表示するにはオプションを「-thhea」とします。

moria: tac$ spot -thhea DFHSMinchoStd-W3.otf

descenderとascenderが分かります。



なお、縦組みの場合のベースライン位置などもBASE表に記載されています。しかし、縦組みの場合、たいていは「仮想ボディの中央揃え」でしょうから欧文ベースライン位置は欧文混植の場合以外は問題になることは少ないと思います。spotコマンドの出力には縦組の場合も出ていますがご参考まで。


2011年6月14日

複数のテキストフレームをひとつずつ別文書にコピー

わたしがつくっている新聞では「新年あいさつ」と「暑中見舞い」、年2回の名刺広告を掲載してます。

1枠の料金は年間購読料よりも高く、全体でけっこうな収入になるのですが、募集事務の手間がたいへんなのです。かつては編集部に4人もいて、財政部門も手伝ってくれていたのですが、ここ10年ぐらいはわたしひとりで作業をしています。
  1. 前回の降版データから、個々の名刺広告(ひとつひとつがテキストフレームに入っています)をコピーし、
  2. 1枚の募集要綱にひとつずつペースト(内容の確認や今回の掲載に向けての変更を広告主にしてもらうためです)、
  3. 広告主を照合しながら、募集要綱を宛名ラベルを貼った封筒に詰めて発送しています。
これをなんとか省力化しようと、大組ゲラ上の前回データを募集要綱(小組ゲラ)へコピー&ペーストするという作業をInDesignで自動化させてみました。

CS2なので複数文書の取り扱いに不便なところがあります。CS2ではcopy()とpaste()でしか文書間のコピー&ペーストができないようなのです。しかも、copy()とpaste()は前面のlayoutWindowにしか作用しない。

そこでlayoutWindowを切り替えてやらねばならないのですが、その際、documents[0]とdocuments[1]とが指し示す文書まで入れ替わってしまいます(そのためオブジェクト名の表記を変数をもちいて簡略化できません)。

CS4だとduplicateでコピー元やペースト先が明確に指示できるし、layaoutWindowを切り替える必要もないので、もっと楽にできそうです。

とりあえず動くようになったスクリプトはこんな具合です(エラー処理その他は未実装)。

var ohgumi = File.openDialog ("大組ゲラを開く");
app.open(ohgumi);
var kogumi = File.openDialog ("小組ゲラを開く");
app.open(kogumi);
 /*document[1]は大組ゲラ*/
var numTF = app.documents[1].textFrames.length;
for (i=0; i<numTF; i++){
 /*前面を大組ゲラに切り替え*/
 app.layoutWindows[1].bringToFront();
 app.select(NothingEnum.nothing);
 /*documents[0]は大組ゲラ*/
 app.documents[0].textFrames[i].select();
 app.copy();
 /*前面を小組ゲラに切り替え*/
 app.layoutWindows[1].bringToFront();
 app.paste();
 app.select(NothingEnum.nothing);
 /*documents[0]は小組ゲラ*/  
 app.documents[0].pages[i].textFrames[0].move(["0mm","0mm"]);
 if (i<numTF-1){
 /*documents[0]は小組ゲラ*/
  app.documents[0].pages.add(1701733408);
  }
 }

2011年5月16日

こんにちわ、でいいのじゃ

「こんにちわ」という表記は“間違い”とまでは言えぬのではありませぬか。

1986年内閣告示の「現代仮名遣い」には、「こんにちは」が助詞「は」の表記例としてあげられていますが、46年の「現代かなづかい」は「こんにちは」の例をあげておりませぬ。

それどころか、86年に文部省が都道府県教育委員長などに通知した「学校教育における『現代仮名遣い』の取扱いについて」では、助詞「は」「へ」について、「現代かなづかい」では“「わ」「え」と書くことも許容すると解釈されてい”たことを(参考)にあげております。同通知全文はこちら

つまり、「現代仮名遣い」告示以前には、「コンニチワ」を一語ととらえる(「は」を助詞ととらえない)ならば、「現代かなづかい」の細則第四「ワに発音されるはは、わと書く」にしたがって「こんにちわ」と表記することもできたわけです。
戦後すぐに読み書きを習った少し年配の方が「こんにちわ」と書かれるのは自然なことかもしれませぬ。

もっとも、規定云々の前提として、「現代仮名遣い」は「個々人の表記にまで及ぼそうとするものではない」と適用範囲を限定しています(「常用漢字」も同様です)から、twitterやblogのように個人的な書き物について、“「こんにちわ」と書くのは間違いだ”と言うのは行き過ぎだと思うのであります。

2011年5月14日

EPUB ZIP コンテナの作り方

EPUBのファイル(コンテナ)は「.epub」という拡張子がついていますが、ファイルの構造としてはZIPアーカイブです。ですから、拡張子を「.zip」に書き換えれば、MacでもWindowsでも解凍(展開)して、本文などを普段使い慣れているテキストエディタで編集できます。

しかし、編集後、ZIPで圧縮(アーカイブ)して、拡張子を「.epub」に戻せばいいかというと、そうではないのです。mimetypeファイルの扱いが少し特別なのです。
  • 要件1: ZIPコンテナの先頭に置く
  • 要件2: 圧縮も暗号化もしない
  • 要件3:  ヘッダにはextra fieldをつけない
ことが求められているのです。

要件1を満たすには
→ 最初にmimetypeファイルを単独でZIPアーカイブし、次に残りのディレクトリ・ファイルをそのZIPコンテナに追加すればOK。なんか、簡単^^

要件2を満たすには
→ zipコマンドに「-0」(ゼロです。圧縮率0という意味)をつければOK。

要件3を満たすには
→ zipコマンドに「-X」(大文字です)をつければOK。

たとえば、「De_Suse」というフォルダにmimetypeもふくめ必要なデータを入れておいて、
$ cd De_Suse
$ zip -0 -X ../De_Suse.epub mimetype
$ zip -r ../De_Suse.epub * -x mimetype
$ cd ..

これで「De_Suse.epub」というEPUBファイルができます。なお、2行目の「-X」は大文字、3行目の「-x」(引数ファイルを除外するという意味のオプション)は小文字です。


なお、mimetypeの扱いについての詳細は「EPUB Open Container Format (OCF)」に規定されています。

EPUB 2.0.1
http://idpf.org/epub/20/spec/OCF_2.0.1_draft.doc
「4 ZIP Container」節の末尾
The first file in the ZIP Container MUST be a file by the ASCII name of ‘mimetype’ which holds the MIME type for the ZIP Container (i.e., “application/epub+zip” as an ASCII string; no padding, white-space or case change). The file MUST be neither compressed nor encrypted and there MUST NOT be an extra field in its ZIP header. If this is done, then the ZIP Container offers convenient “magic number” support as described in RFC 2048 and the following will hold true:
The bytes “PK” will be at the beginning of the file
The bytes “mimetype” will be at position 30
The actual MIME type (i.e., the ASCII string “application/epub+zip”) will begin at position 38

EPUB 3
http://idpf.org/epub/30/spec/epub30-ocf.htm
3.3 OCF ZIP Container Media Type Identification
OCF ZIP Containers must include a mimetype file as the first file in the Container, and the contents of this file must be the MIME type string application/epub+zip.
The contents of the mimetype file must not contain any leading padding or whitespace, must not begin with the Unicode signature (or Byte Order Mark), and the case of the MIME type string must be exactly as presented above. The mimetype file additionally must be neither compressed nor encrypted, and there must not be an extra field in its ZIP header.

ほんとうに3要件を満たしているかは、hexdumpしてみれば分かります。

moria:Desktop tac$ hexdump -C De_Suse.epub |head

00000000  50 4b 03 04 0a 00 00 00  00 00 52 bb ac 3e 6f 61  |PK........R..>oa|
00000010  ab 2c 14 00 00 00 14 00  00 00 08 00 00 00 6d 69  |.,............mi|
00000020  6d 65 74 79 70 65 61 70  70 6c 69 63 61 74 69 6f  |metypeapplicatio|
00000030  6e 2f 65 70 75 62 2b 7a  69 70 50 4b 03 04 0a 00  |n/epub+zipPK....|
00000040  00 00 00 00 7d bb ac 3e  00 00 00 00 00 00 00 00  |....}..>........|
00000050  00 00 00 00 09 00 00 00  4d 45 54 41 2d 49 4e 46  |........META-INF|
00000060  2f 50 4b 03 04 14 00 00  00 08 00 52 bb ac 3e c5  |/PK........R..>.|
00000070  06 1a 6f a3 00 00 00 f2  00 00 00 16 00 00 00 4d  |..o............M|
00000080  45 54 41 2d 49 4e 46 2f  63 6f 6e 74 61 69 6e 65  |ETA-INF/containe|
00000090  72 2e 78 6d 6c 55 8e c1  0e c2 20 10 44 ef fd 0a  |r.xmlU.... .D...|


いったん、unzipしたものをMacの普通の“圧縮”でZIPして、拡張子を付け替えたもの(De_Suseフォルダの中身だけをZIPしたもの)だと、

moria:Desktop tac$ hexdump -C De_Suse_MacZIP.epub |head
00000000  50 4b 03 04 0a 00 00 00  00 00 7d bb ac 3e 00 00  |PK........}..>..|
00000010  00 00 00 00 00 00 00 00  00 00 09 00 10 00 4d 45  |..............ME|
00000020  54 41 2d 49 4e 46 2f 55  58 0c 00 cd ef cb 4d 6e  |TA-INF/UX.....Mn|
00000030  ee cb 4d f6 01 f6 01 50  4b 03 04 14 00 08 00 08  |..M....PK.......|
00000040  00 52 bb ac 3e 00 00 00  00 00 00 00 00 00 00 00  |.R..>...........|
00000050  00 16 00 10 00 4d 45 54  41 2d 49 4e 46 2f 63 6f  |.....META-INF/co|
00000060  6e 74 61 69 6e 65 72 2e  78 6d 6c 55 58 0c 00 5e  |ntainer.xmlUX..^|
00000070  05 cc 4d 1c ee cb 4d f6  01 f6 01 55 8e c1 0e c2  |..M...M....U....|
00000080  20 10 44 ef fd 0a c2 d5  b4 e8 95 40 4d 4c 3c 6b  | .D........@ML<k|
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ところが、場合によっては、Macの右クリックによる“圧縮”でつくったZIPファイルの拡張子を「.epub」に書き換えたものでも、Adobe Digital EditionsやSigilはEPUBとして読み出せますし、それをkindlegenで変換したMOBIファイルもKindleで普通に表示できます。
これは上のOCFによる3要件を一つも満たしていないのですが、なぜか大丈夫なのです。

2011年4月28日

今を抱くように生きている人

河津聖恵さんから新詩集『ハッキョへの坂』をいただきました。

この間、朝鮮学校が高校授業料無償化の対象から外されたことの理不尽さに抗い『朝鮮学校無償化除外反対アンソロジー』をまとめるなど、「カナリア」として奮闘してきた河津さんです。

この新しい詩集には朝鮮学校にかかわる詩ももちろん載っているのですが、「ひとは一つの詩とともに生まれてくる」の末尾;
ただ証すための一篇にいとおしく焼き尽くされるため
この今を抱くように生きている
そんな河津さんの生き方ってすてきだと思うのです。


2011年1月1日

ANNVM NOVVM FAVSTVM TIBI PRECOR!

Annum novum faustum tibi precor!

しあわせなあたらしい年をあなたに!



辛卯元旦