2005年11月10日

侵略国家の遺物

きょう(11月10日)付「神戸新聞」の阪神版に、戦前から長年にわたり、芦屋警察署の会議室にかけられていた書が、南次郎氏(1874--1955)の筆と判明したという記事が載っていました。
武人とはこういう字を書くのかと思わされる力強い筆遣いで「剛健」と大書されています。警察官のみなさんの士気をおおいに高めたことでしょう。

しかし、南氏は、朝鮮軍司令官、陸軍大臣、関東軍司令官、朝鮮総督などを歴任し、中国、朝鮮への侵略戦争・支配の先頭に立ってきた人物です。

陸軍大臣だったのは、満州事変(1931年)の時。最終的には戦争拡大路線に立ち、A級戦犯として裁かれた東京裁判で、終身禁固刑の判決を受けています。
また朝鮮総督だったのは1936年から6年間。日本語使用の強要、「創氏改名」など「皇民化政策」を推進した総督なのです。

いまの日本国憲法のもと、このような人物の書をありがたがるというのは、どうなんでしょうか?

直ちに降ろして、しかるべく処分(せいぜい遺族に返すぐらいでしょうか?)するのが「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し」た者、「他国と対等関係に立たうとする」者の責任ではないかと私は思うのですが...

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