芦屋市立美術博物館で11月6日(日)までひらかれている「エドワード・スタイケン:ポートレート」展を観てきました。
ルクセンブルグ国立歴史美術博物館収蔵のEdward Steichen作品の中から、52点ポートレートが展示されています。1901年から1910年の作品が22点、1922年から1936年が28点、制作年不詳が2点です。作品は制作年順に並べられています。
1910年までの作品は「ピクトリアリズム pictrialism」なのでしょうか。このころの写真はネガから直接印画紙へ引き伸すのではなくて、さまざまな技法で画像に手を加えていたそうです。今回、展示されている作品も(どういった技法が使われているのかはわかりませんが)背景など筆やパレットナイフでこすったような感じがしますので、かなりの加工がほどこしてあるようです。
こうしてオリジナルプリントを観るとよくわかりますよ。
この時期のものの最後に、ピクトリアリズムからストレートフォトへ脱却して近代写真へ踏み出したアルフレッド・スティーグリッツを被写体とした作品が置かれているのは興味深いことです(そして、この作品はあまり絵画的ではないのです)。
壁を変え、その次に展示されているのは1922年の作品です。この間にスタイケンは第一次世界大戦に従軍しています。この戦後、1922年の作品からは、にじませるようなピクトリアリズムの技法は消えて、シャープにピントが合い、階調も幅広い作品が並んでいます。スタジオではなく戸外で撮ったものもあります。現代の私たちが「ポートレート写真」として見慣れた雰囲気の写真です。
第一次世界大戦は、欧米の人々の価値観に大きな変化を与えたといいます。スタイケンの作品の変化にもこの大戦が影響しているのでしょうか。
現代の私にとっては、なんだか、1910年までの作品の方が新鮮に感じられました。
こんにちは。レスポワです。
返信削除私も家から近いので、土曜日にこの写真展見に行きたいと思っています!楽しみです。