2005年9月21日

洪水は我なきあとに…ではなく

私は夜、夢を見ません。朝、覚えていないだけかもしれませんが。その代わり、居眠りをしている間に夢を見ることがよくあります。

私たちは海岸から400mほどにあるマンションの2階に住んでいます。
夕方、家へ帰ってみると、明かりのついていないほの暗いリビングに泥の混じった水がこぼれています。「なにをやったんや?」と跡をたどってベランダへ出てみると、小学校2年生の末息子がほうきで水を溝から掻き出そうしています。「うまいこと、いかへんねん」とか細い声で言い訳をするので、「バカ! こんな天気のいい日にベランダから水をこぼしたら、下の人に迷惑やろ!」と叱ってしまいました。

実際、水はベランダの敷居を越えてあふれだしています。あわてて掻き入れようとしたのですが……。

逆なのです。水流は外からベランダの中へ向かっているのです。

すでに1階部分は没し、水は私たちの住む2階を呑みこもうとしているのです。息子はひとり、おしよせる水とたたかっていたのです。

ここで目が覚めました。このあと私と息子がどうなったのか、わかりません。駅からは歩いて帰ったのですから、マンションの1階から階段を上るほんの1分ほどの間に津波は2階までおしよせています。もう玄関のドアは水圧で開かないかもしれません。

ふだん末息子にはずいぶんと我慢を強いています。生計を立てるのにぎりぎりで、子どもたちをかまってやるゆとりがない――まだ小さいこの子にはつらいことが多いと思います。ときどき、ほんとうにか細い声で抗議してくることもあるのです。

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