芦屋市立美術博物館(サイトへ)の「市民学芸員養成講座」を受講してます。
残念ながら、学芸員資格取得に必要な「博物館実習」の単位にはなりません。
しかし、その内容は、ひょっとしたら、それ以上かもしれません。
初回はオリエンテーションだったので、今回の「古文書・古記録の調査」から本論です。
同館の山形隆司学芸員(写真左)から、古文書や用紙の歴史的背景や制度上の問題、実際の取り扱い技術などについての講義を受ました。
実習は江戸〜明治初期の本物の古文書の目録づくり。いや〜、読めません。普段、活字ばかり読んでいるので、青蓮院流—御家流のさらさらさらりっとした文字が読めません。
私にあたったのは、素麺の売り渡し価格が約定と異なっていることについての訴状のようです。押印がないので、控えなのかも...
内容はともかく、村人がこういう達筆?で文書が書けた、この時代は、なかなかすごいです。
ところで、現代だと用紙サイズはJISなどの規格がありますが、近世以前は、用紙サイズ←紙漉の枠幅←肩幅という関係で自然に決まってきたんだそうです。書状が写真のように細長く折られているその幅はだいたいどれも同じですが、実は、書き上げた書状を手でくるくると巻いた後、ぺたんと押しつぶしているだけ。これも手の大きさ(親指と人差し指でつくる輪の大きさ)がもとになるので、だいたい揃うという訳。...という話も山形さんからうかがったこと。
文書の内容・書式についての約束事はかなり厳格だったのに、用紙サイズや折り方はとても大雑把というかおおらかというか... この点も面白いです。
ところで、日本は公文書の管理がうまくいっていないらしい。今回見たような近世文書は、庄屋などまとめて保管されていたものですが、明治以降は、例の「日米密約」文書も首相が自分のうちに持って帰ってしまっていたり... ヨーロッパでのように公文書館などで一元管理しないと、いろんなことが有耶無耶になりますよね。
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